今展では大正から昭和前期に制作された彫刻作品を31点展示しています。これらの作品が生み出される6・70年前、大名・寺社などの庇護を受けて活躍していた江戸時代末期の仏師・彫師たちは、明治維新を境にメインスポンサーを失い、苦境に立たされることとなりました。
 そのような中、明治も終わりに近づく頃には、彼らの活躍の場の一つとして文展・帝展などの展覧会が登場し、大正・昭和へと引き継がれました。こうした展覧会には、伝統的表現に裏打ちされた作品が出品される一方、豊かで自由な表現力に裏打ちされた作品や当時の生活スタイルを題材とした作品なども出品されました。
 以上のような潮流の中で制作された作品を展示する今展では、全体を温故・知新・縁の3セクションに分けています。そして、温故では仏師・彫師から引き継いだ伝統に則した要素の強い作品を、知新では自由なモチーフと豊かな表現力が垣間見える品々を展示しています。またでは、耕三寺にゆかりのある作家の作品をご紹介しています。
 近代彫刻の魅力は伝統の継承と斬新さ、またはそれらの融合にあるのかもしれません。今展でその一端をお感じいただければ幸いです。どうぞごゆっくりご鑑賞ください。

『近代彫刻の魅力』展
作品名作者材質・形質サイズ(高×横×縦)時代
糸織姫高村光雲木造41×23×18昭和前期
阿弥陀如来坐像高村光雲木造載金彩色20×12×8昭和前期
平櫛田中木造18×17×15昭和前期
雪舟像米原雲海ブロンズ25×23×18昭和前期
聖徳太子坐像關野聖雲木造一部金彩46×46×34昭和15年(1940)
土師山崎朝雲木造淡彩色40×19×20大正5年(1916)
柿本人麿像佐藤朝山ブロンズ28×36×24昭和前期
聖観音立像澤田晴廣(政廣)木造63×20×15昭和前期
如意輪観音像三木宗策木造41×18×18昭和13年(1938)
信女橋本朝秀木造淡彩色138×39×46昭和前期
海神の女森山朝光木造110×56×47大正15年(1926)
増荒男鈴木国策木造132×71×60昭和9年(1934)
こども佐藤匡義木造128×38×29昭和11年(1936)
緑陰岡正敏木造淡彩色109×37×68昭和11年(1936)
春園西山如拙木造彩色113×38×27昭和11年(1936)
ハイキング安西順一木造淡彩色116×39×50昭和14年(1939)
スケート宮本朝濤木造75×30×25昭和14年(1939)
山根八春木造51×51×25昭和前期
佐藤静司木造淡彩色40×74×46昭和12年(1937)
太田良平木造65×108×45昭和前期
待つ翁朝盛木造62×18×18昭和前期
維摩工藤敬三木造108×84×48昭和6年(1931)
龍女阿井瑞岑木造白色彩色110×48×32昭和11年(1936)
母子本田徳義(晶彦)木造92×59×55昭和13年(1938)
芽生松本昇木造60×57×26昭和11年(1936)
ゆあみ三木宗策木造彩色103×60×60昭和前期
風神三木宗策木造彩色121×83×44昭和前期
聖観音立像三木宗策木造漆箔58×20×20昭和15年(1940)
聖徳太子三木宗策木造彩色51×42×35昭和前期
羅漢三木宗策木造淡彩色50×41×35昭和前期
宗像庄一郎木造淡彩色53×28×23昭和前期